Ryuichi  Yahagi

​探せシリーズ

ソーシャルメディアなどで人とのつながりを可視し、他人の行動やコミュニケーションをのぞき見することが当たり前になった今、実際にそこに住んでいる人と人とのコミュニケーションが逆に少なくなっているのではないでしょうか。私が幼い頃は近所のおじさんがよくキャッチボールをしてくれた記憶があります。このプロジェクトはその地域に多い名字や名前に焦点を当てて、同性や同名の人を探し記録して行きます。地元の人に参加してもらうのですが、参加者だけでは成立しません。参加者が人を探す過程において出会った人達も自然と参加者となって行くのです。地域の人と触れ合い交流が生まれることが、このプロジェクトの一つの醍醐味でもあり、その中で人との出会いの不思議を感じることになるのです。そうした出会いを継起させる時の流れと、その流れのなかでの自分や他の人との存在が、一部視覚化されることになるのです。